カブールからバーミヤンに

はじめに

さて、前回紹介したおそらくカブール安宿から、カブールの中心部に近いShahar-e-Naw(シャラナウ)というエリアに移動して宿泊しています。

値段はかなり違うのですが、中心部にも滞在してみたいという気持ちから移動することにしました。

ネット情報を得るのが難しく足を使って尋ね歩いたり、一足先にカブールに滞在している友達に連絡を取ったりしながら宿を決定。もちろん値切り交渉は必須です。

値切っても1200アフガニ(約2570円)が限界でしたが。

まぁベットにエアコンまで付いているホテルの一室なので妥当ですかね。一応ドミトリー宿もあったんですが、水道と電気が止まっているなんて言われてしまったので今回は諦めました。

ここはフラワーストリートというお花屋さんの並んでいる通りのあたりで華やかでよい感じです。

しかしこの辺りのストリートチルドレンはガラが悪い。

この日はイランのテヘランで出会った中国人の友達とカブール散策に出かけたんですが、我々アジア人を見つけると執拗に追い回してきて、体に触ってきたり荷物に触れようとしてきます。

怒ると少し距離を空けながらそれでも付いてくるしつこさ。これにはまいりましたね。

友達はアフガニスタンの雑貨や家具などを中国に輸入するというビジネスをやっているらしく、それを見学がてら色々なお店に行ってきました。

珍しくて綺麗な雑貨が沢山あるんですが、やはり外国人価格なのか値段は結構高い。

何件も探し歩いて適当な値段と質のよい品のあるお店をピックアップしていきます。

しかし今回は物色するだけで購入はもう一度検討してからということでした。

夕方辺りになり私の明日はバーミヤンに出発する予定ということもあり早めに解散。

彼女は先にバーミヤンには行ったことがあるということで、詳しい行き方などを教えてもらうことができました。

バーミヤンに向けて出発

ネット上で検索するとタリバンに拘束されたとか色々と物騒な情報が出てきたりしましたが、私が行った時期(2025年2月)の時点ではかなり落ち着いている様子でした。

ということで明け方まだ明るくなるうちから出発します。教えてもらったバーミヤン行きのシェアタクシーが出ているというターミナルに向かいます。

荷物をまとめて外に出るとちょうどタクシーがいました。

行きたい場所を伝えるとかなり高い金額を要求されてしまいました。

交渉しているともう一台タクシーが。同じように行きたい場所を伝えるともう一台のタクシーの半額くらいの値段を提示してきたので即決。

そこが甘かった。タクシーは行き先のターミナルまでは行かずに、そこに向かうマイクロバスのバス停までしか連れて行ってくれず、抗議も虚しく下される羽目に。。

しかし来るマイクロバスに尋ねても、そのターミナルには行かないという返事しか返ってこず近くにいた人が、橋を越えたバス停に来るバスがそこまで行ってくれると教えてくれて歩いていくことに。

途中、意味不明に銃を持った警備員に拘束されかけるは、なんだかんだでやっと着いたら、今度はマイクロバスの運転手と交渉しないといけないようで。

どうやらターミナルまでは遠いらしく、そこまで行く人が何人かいないと行かないとのこと。しかし少し多めに払うなら行ってやるとのこと。時間も押していたのでお願いすることに。

ようやくターミナルに到着。

ここからは割とスムーズにシェアタクシーを見つけることが出来て直ぐにバーミヤンに向けて出発。

カブールから街を抜けて郊外をひた走ります。

カブールからでも見えていた雪山の中に入り絶景を眺めながらのドライブ。気温も下がってきました。

雪かきをしているようで大渋滞が起こり外に出てみると凍えるほど寒い。

大した防寒対策もせずに雪のウクライナでも寒さに耐えてきましたが、やっぱり慣れませんね。
お昼は山中にあるレストランで休憩。

アフガニスタンスタイルの典型的な食堂。長テーブルを挟んでみんなで両側に座り食事をとります。

この際に男性と女性は一緒に食事はしないので女性は別室に。

一緒に乗車していないメンバーが私の向かいにやってきました。

銃を携えてて目の下にはクマ?メイクなのか?髪が長くてイカつい感じです。

彼らは外国人の私に興味があるのかドライバーに私のことを質問しているよう。

何だか納得したようで一緒にご飯を食べながら笑顔で言葉にならない言葉を交わし、彼らが去った後にドライバーから「タリバンだよ」と聞かされ。

あー。と納得。

彼らも今は外国人排除という動きではないのでトラブルを起こさない限りは特に危険はなさそうです。

そこから更に山道を走りバーミヤンに辿りつきました。

まずは宿探しをしないといけないのですが、調べていた宿が見つからずに右往左往していると、村人が宿はあっちだよと教えてくれました。

どうやら外国人が泊まれる宿は限られているらしく、バーミヤンを訪れる外国人御用達の宿みたいでした。

部屋は空いていたのですが、カブールより値段も高くベットもなく雑魚寝という凄まじさ。

なん

暖房は1日に数時間付くということで日中は凍える寒さ。シャワーは水しか出ない。

後にも先にもここより酷い宿はないくらい記憶に残っていますね。

しかもチェックインの時にビザの他にタリバンの発行する証明書が必要だとうことになり取りに行くことに。

教えてもらった政府施設にタクシーを捕まえて乗せていってもらいます。

中にいた人に尋ねると発行してくれるとのこと。しかし手数料を日本円で2000円くらい要求されました。

後から確認してみたところ発行に手数料はかからないとのこと。

ブッダ オブ バーミヤンに行く

まんまとやられましたがまぁ仕方ないですね。とりあえずこれで宿に泊まれそうなので、行きたかったBuddha of Bamyanに行ってみます。

政府施設から宿の方に歩いて行って、街の外れの方まで歩いて行ってみます。

大きいからすぐわかるだろうと思っていたのですが、なかなか見つからない。

近くを通った車の運転手に尋ねてみたところ、反対方向だということがわかり近くまで車で乗せていってもらいました。

どこが正規の道なのかわからないまま、畑の畦道のようなところを歩いて行ってみます。見えてきました。

まだ仏像が残っていた頃の写真と比べたら跡形もなく破壊され壁にただ穴が空いているだけのようになっています。

誰もいないその場所は何か神聖さを感じました。

なんだかよくわからないまま壁を越えて中に入ってみました。(どうやら後からわかった話なのですが、中に入るにはタリバン政府の許可が必要とのことです。見つかっていたらヤバいことになるところでした。)

崖に掘られた穴の数々を見学していきます。

砂地の崖は足を滑らせると大変なことになるので、かなり慎重に進みます。

穴の中には焚き火をしていたような跡もあり、黒いススで天井が真っ黒になっていました。ここで生活をしていたのでしょうか。

夕暮れの壮大な景色と共に見ながら過去の出来事に思いを馳せます。

そろそろ暗くなってきそうなのでまた来た道を元に戻ります。

一人で行くのはかなり危険な感じの場所でしたので、もし行かれる方は十分に気をつけてください。

街に辿りついた頃にはすっかり暗くなっていました。

宿の隣のレストランで夕食です。毎度お馴染みの肉を串刺しにしたケバブとナンのようなアフガニスタン特有のパンにくらいつきます。

すぐに近くにフレンドリーな現地人が寄ってきて話しかけてきます。

彼はガイドをやっているらしく私が日本人だと言ったら、去年日本人をガイドしたことがあるよと写真を見せてくれました。なんとウクライナのリヴィウで出会った人がそこに写っていました。

そういえばアフガニスタンに行ったと言っていたなと思い出し、連絡してみるとやっぱりそうでした。

しかし冬は行ける範囲が少なくてあまり見所がないそう。このまま連泊を悩むきっかけに。

一応ガイドの彼とは連絡先を交換して、もし必要なら連絡するとだけ言って別れました。

そして寒い中毛布にくるまって寝ようとした頃に異変は始まりました。

何やら胃がもやもやするなと思っていたら気持ちが悪くなってきて、下痢嘔吐が止まらなくなりました。

夕食のケバブ?いやここに着いて宿に着く前に食べた屋台のゆで卵が怪しい気がしました。

とにかく悪寒もするし気持ち悪くて寝るどころではなく部屋の中でもがき苦しみ一夜を過ごしました。

翌朝。

なんとか症状は治ったのですが、気分は最悪です。

宿も高いし寒いしシャワーは水だけだし。目当てだったブッタオブバーミヤンは見れたので、そのままカブールに帰ることを決意。

2泊分を先に支払っていたのですが、シャワーも出ないし寒いし最悪だから出ると説明したら一泊分を返金してくれました。そのままの足でバスターミナルに向かいます。

 

着く頃にはすっかり体調も回復して、無事にカブールのバスステーション近くの宿に戻ってくることができました。

最後に

今回は食あたりもありかなりハードな旅になりました。

結論、冬のバーミヤンはおすすめできません。バーミヤン出身の友達が言っていたようにやはり夏が良いらしいです。

また夏に戻ってこれたらいいなと思いつつカブールで数日の休憩を取ることにしました。

次回はついにパキスタンに向けて入国です。

ではでは‼️