戦線近い町カーキフ。そしてかつて戦場となった町に行く。

カーキフに到着

さてさて。列車はカーキフに着きました。


曇り空の下、人もまばらの駅前。マップで現在地を確認しようとしますが繋がりません。

後から知ったのですがここは戦線に近いため警報が出ている間は位置情報などがうまく動作しなかったりするらしいです。

インターネットの接続もできなくなったりと不安定な状況が続いているそうです。

位置情報などが正しく把握されないようにする何かしらの電波を発しているのか定かではないんですが。

これによりホステル探しがかなり難航。何とか市街に向かうトラムを探して乗り込みますがどこに行ったらいいのかイマイチわからず‥。

何となく降りて道ゆく人に尋ねます。

マップにはホステルの位置にピンを打っているのでそれを頼りに何とかして向かおうとするのですが中々うまくいきません。

かれこれ2時間くらいは彷徨ったあげくにようやく辿りつきました。

また例のごとく看板を出していないホステル。もう勘弁してくれよぉ💦

しかも言葉が通じないしいきなりヒステリー系の宿のおばちゃん。何なんだ笑

とはいえようやく辿りつけたのでホッとしました。

ここはリヴィウの人たちも危ないから行くなと止められていた町。

しかし人は少ないながらも町行く人は普通の生活を営んでいる印象はあります。

近くを散歩して買い物。そしてホステルに戻りご飯を食べていた時です。

「やぁ。どこから来たの??」とハイテンションで話しかけられます。

彼女の名前はリア。フランス人ジャーナリストらしくこの町に滞在しているそう。

これはラッキーでした。何故なら私がこの町に来た目的は戦争で被害を受けた場所などを直接この目で見たかったとうことだったからです。


ジャーナリストであれば色々な情報を知っているだろうとあれこれ質問していると、翌日にちょうど攻撃の被害をうけて倒壊したビルが多くあるエリアに取材に行くということで同行させてもらえることになりました。


被害の大きかった町、サルキフスカ


翌日、私たちは地下鉄にのって中心部からは少し離れたエリアに向かいます。

中心部であっても戦争が始まった2年前くらいにはミサイルが落ちてきて倒壊した部分などはあるのですが、その数はいまからいくエリアは圧倒的に多いらしいです。

彼女の話ではここから40分ほど電車に乗って国境近くにいくと今でも爆発音が響いてくるエリアに行けるそうです。

最近は被害を受けていないエリアとはいえ今でも毎日警報が鳴っているのは事実なのでいつ落ちてくるかはわかったもんじゃないですもんね。それなりの緊張感は持っていないといけません。

地下鉄の最終駅に着きました。「サルキフスカ(Saltifska)」ここが今日の目的地です。


ここはリアがこの町に着いた時にたまたま道を尋ねた人がニューイヤーパーティに招待してくれたそうで、その人が元々住んでいた町なんだそう。

その人の住んでいたビルも撮影してくる約束してきたそうなので後からそちらにも向かいます。

事前に彼女が調べてマップにピンを打っていてくれたのでその道順通りに回っていきます。

町を一周するような形で被害が大きかったエリアを見ていきます。

私自身事前の下準備、リサーチやらなんやらが本当に苦手なのでこうやってしっかりプランが作られてるのを目の当たりにすると、ただただ感心するしかない💦



被害の大きいエリアは見かけはゴーストタウンのような雰囲気にはなっていますが、人がいないという訳ではなく散歩に歩いている人はちらちらと見かけます。

こちらとしても写真なんか撮っていると何となく心苦しいというか…。人が通り過ぎた後を狙って写真を撮ります。


町を一周するとなると結構な距離になるので極寒の寒さの中2時間以上は歩いていました。

だいたい周りきったところでカフェで暖まります。



いい感じといっては語弊があるかもしれませんが、納得いく感じの写真はとれました。

リアを見ていて思ったんですが、やっぱりこういう時ってカメラ構えて撮りたいですよね。

写真の出来うんぬんの前に雰囲気でってことですが。

実は少し前にカメラ欲しいなと思って色々調べていたことがあったんですが、それなりのカメラって思えばかなりの値段がするんですよね。

入門用でもいいのかもしれないですけど、どうせならそこそこのものが欲しいしなとか迷っていたら結局決めれなくて先送りになりました💦

ちなみにその時にプロのカメラマンの友達に質問したら「iPhoneで十分でしょ?」って回答いただいています。

もちろんプロにとってはそれじゃ成り立ちませんが、私程度が撮る写真ではそんなに変わりはないよって言いたかったのかなと解釈しました。


まぁ時々もう少しこうなったらなとか感じることはあるんですが、今のところまぁ十分なのかなというところに落ち着いています。雰囲気以外は笑

そして出発地点の地下鉄の駅に帰ってきました。

そういえば最初に書き忘れたのですがここに滞在中(2025年1月)現在。カーキフの地下鉄やパスの公共機関の運賃は無料になっています。

何故なのか詳しいところはわからなかったのですが、駅員さんにチケットの買い方を尋ねた際に手を振られてそのまま改札に案内されました。

そういえば誰もチケットなんて買っていないしみんな素通りなんですよね。

おそらくは戦争の影響による生活補助的な部分で無料になっているのかなと思いました。

ちなみにリヴィウもキーウも通常通り料金は発生します。

戻ってきて下のパブでお疲れさま乾杯を一杯だけして解散。

そして私は予定通りオデッサへ。リアはキーウに向かうそうです。

中々ハードな行程でしたが良い思い出になりました。


カーキフを出発日、また新しい出会い

カナダからやってきたボランティアのドクターです。

彼はウクライナ軍の負傷者の手当てにあたっていました。



そして次の日、リアは早朝に旅立ちましたが私は夕方の便のため1日近く時間があります。

とはいえ昨晩から降っていた雪のせいで路面は雪が積もっていたり凍っていたりと足場が悪いのであまり出かける気にもなりません。

でもどうしても出かけないといけなくなってしまいました。

というのも朝起きたらついに調子の悪かったiPhone13 miniの電源が本格的に入らなっていたんですよ。


普通に壊れたならまだしも、キーウの時点でGoogle photosのストレージがいっぱいのためストレージの追加よりは無料でもっと容量の大きいMegaというクラウドサービスに移行していたんですよね。


それでGoogle photosの自動バックアップをオフにしていた気がして確認するとやっぱりキーウの写真から更新されていないよう。


電源が入らずにスマホの中身が取り出せずバックアップも取っていないとなればカーキフで撮った写真が全部消えるということです。

そんなのあり??ってなりながらもとりあえず前使っていたiPhone12だけではカメラ機能は壊れているし、画面バキバキだしいつ壊れるかわからなし。


早急に他のスマホを探さないといけなくなった訳です。



iPhone13miniの挙動がおかしいってなった時点で買い替えは視野にいれていて、次買うならAndroidがいいのかなと密かに準備はすすめていたんですよ。

具体的には写真データの移行。パスワード管理をAppleのキーチェーンだけではなく他社のサービスでAndroidでも使えるものを用意する。

Airdoropやmacとスマホ間の連携の代替えサービスを探すなどです。

調べてみると意外と方法はあって、慣れるまでは少し面倒かもしれないですけどいけそうな手応えはあったんですよね。ということで目星をつけたAndroid端末を見に行ってきます。

地図で調べて着いた場所はお店というよりはオフィス。

認証でロックを解除しないと入れない店内。

受付で見たいものを伝えるとその奥の部屋から取り出してきて受付でみるというシステム。

私が行った際もすでに先客が2人いてその後やってきた人と私を含めると狭い受付はごった返し状態。

その中で持ってきてもらったのは「Samsung Galaxy Z Fold 4」という機種。

二つ折りできるタイプで持ち運びの便利なタブレットという感じでしょうか。

値段は中古で23399UAH(約86700円)と私の感覚ではかなり高額。

しかし512GBの容量と画面サイズを考えると使えるモデルなのかもしれませんね。

値段も日本の中古市場に比べるとお買い得かと思ったのですが、なんといっても重い。

開くと大きくなるので当たり前かもしれませんが、タブレットとして考えるのならよいかもしれないですけどスマホとしては使い勝手はわるそうです。

なにせ以前は大きいの嫌だからってminiにしたくらいですから。

値段ももう少し抑えたかったので見送りとしてお店を出ます。


その後もスマホショップを何件かまわったのですが、安いのはあってもやはりカメラを気にしてしまって決めきれませんでした。

ならカメラ別で買えよって言葉が聞こえてきそうですがスマホと一体化というのが便利なんですよね。



そしてまだ時間はかなり早かったのですが、とりあえず駅に行ってから時間をつぶすことにして駅にやってきました。

毎度のことなんですが駅の電光掲示板がわからん。

迷っていると迷彩服を着たウクライナ人が声をかけてくれました。

一緒になって探すもやはり見つからず。インフォメーションまで連れて行ってくれました。やさしい。

行列を待ってよくやく順番がまわってきたのですが英語が通じないので翻訳アプリでわたわたしていると後から助けが。


彼の名前はゲニャ。受付の人にスムーズに伝えてくれました。ありがたい。

そして2人で外に出てからプラットホームの位置まで案内してくれて、さぁこれからどこで時間を潰そうかと思っていたら、ゲニャが私の知っている店に連れっていってあげると言い出しました。

ここでまだ3時間もあるし凍えてしまうよと心配してくれたみたいです。


しかしそこは私は簡単に信用して痛い目をみたこともありますからかなり怪しんで返答します。

すると彼も私が疑っているのを察したようで、大丈夫心配いらないから私を信用してと言ってきました。


言葉だけなら誰でも言えることですが、その時の彼の表情は詐欺師のそれとは明らかに違うと感じたので付いていくことに。

車に乗って15分ほど走ってつきました。グリルレストラン的な明らかにいい感じのお店。

こりゃちょっと高そうだなと思ったのですがまぁ仕方ないかと入ることに。


彼の仕事は卸売りなどをやっているらしく取引先のお店みたいです。

彼は日本に対して非常に良いイメージを持っているらしく日本の話題でもちきりです。

そしてハンバーガーとコーラが出てきました。といってもちゃんとしてるやつ笑



なんだかんだで食べて飲んで話してとやっていたらあっという間にいい時間。

トイレはこっちだよとゲニャが教えてくれて行って戻ってみると会計済んでるし。

なんとジェントルマン。


そして会話の中で今一番何が食べたい?って訊かれた時に日本にもう一年帰ってないから日本食かなって答えていたんですよ。

そしたら車に乗り込んで、寿司レストランに連れて行ってやるって💦いやもうお腹いっぱいだよって伝えたんですが、列車の中で腹が減ったら食べたらいいよって言ってくれたので向かうことに。


ウクライナの寿司レストランはおしゃれでいい感じでした。ブレブレのカメラ写真をどうぞ。



もちろんですが日本の一般的な寿司とは違って寿司ロールと呼ばれる巻き寿司に近い食べ物が主流ですね。

でも見た目もよくてこれはこれで良いなって思います。


写真はフィラデルフィアロール(中にフィラデルフィアチーズが入っているやつです)の外側にサーモンとまぐろの赤身が巻いてあるという斬新な一本。

そして醤油ではなく蒲焼のタレのようなソースが付いてました笑

わさびが意外にもしっかりしていたのが驚き。日本のスーパーで付いてくるわさびの3倍くらいいい感じでした。



私はフィラデルフィアロールを持ち帰りで頼みました。

そして駅にまで送ってもらうはずが、何とプラットフォームまで見送りに来てくれました。

何から何までありがとう‼️いつかまたどこかで会おうと約束して列車に乗り込みます。

そしてオデッサに向かいます。


おわりに

今回は国境ちかく戦場にも近い町カーキフでの日々を備忘録としても残しておきたかったので書きました。

こういった場所に行くことに対する反感が多いのは感じていますし、実際に褒められたことではないのも自覚しています。

何もなかったから結果的によかっただけだと言われるかもしれませんが、何かあっても自分で覚悟はして行ってるつもりです。

そのことで誰かに迷惑かけてしまったらどうするんだという意見には、誰にも迷惑かけずに生きている人間なんていないし、そういった先回り思考が行動や選択肢の幅を狭めているということに気づいていないのが残念だなとしか思いません。


人生一度きり。やりたいようにやるのが一番だと思います。

もちろん法を犯すことはよくないと思いますけど、最近はそれすらどうでもよくないとも思っています。

法を犯すことによる罰則は決められていて、それをする代償は罰則で払うというわけです。

極めてシンプルですよね?やってもいいけど罰受けるよ?って話です。

時には命まで取られるって話です。

そうまでしてもやりたいならやったらいいんじゃないとしか思わなくなりましたね。

誰にもその行動を制限する権限はないです。だからこれ以上おかしな世の中にならないことを祈るばかりです。


ではまた‼️