ダルラマン宮殿に
さてバーミヤンから戻ってきて数日間ゆっくりしていました。カブールもあまり見所というものも見つからなくて、地図を見ながら発見した「ダルラマン宮殿」という場所に行ってみることにしました。
相変わらず行き先のよくわからないバンに乗り込み地図で確認したり、人に尋ねたりしながら向かいます。英語はまず殆ど通じないので翻訳機能頼りです。
まぁこの生活も長いので全く怖気付くことなくこなせるようにはなったのですが。最終的に「ここだ。」と言われて降ろされた場所は宮殿からまだ少し距離があるあたり。
そこからは歩いて向かいます。10分ほど歩いて無事に到着。
入口のチケット売り場ではアフガニスタンの若者たちでごった返しています。
彼らは見慣れないアジア人の私に興味津々。あっという間に囲まれてしまいました。
若者たちは少し英語も話せるのでコミュニケーションが取れて私も安心。
チケット売り場では外国人とアフガニスタン人とでは料金が違うと言われたのですが、若者たちが交渉してくれて何と現地人価格で入れました。
それから一緒に宮殿をまわろうと言われて写真撮影タイム開始。写真撮るのが好きなのか少し歩いては全員で写真タイム笑
私には大人数の若者集団に見えていたのですが、どうやら二つの別々に来たグループだったようで写真撮影も倍の量。
何だか宮殿を見るどころではない感じになってしまいました。物売りの子供達も混ざってワイワイと楽しかったのですけどね。
彼らはゆで卵を売っていたのですが、バーミヤンでの食あたりの原因として疑っていただけに今回はパス。
一通りまわった後に彼らが夕食に招待してくれるという話をもらったのですが、もう少し辺りをウロウロしたかったので丁重にお断りしてから、一人でぶらぶらと街中を歩き景色を撮りながら帰ってきました。
独特の景観はカッコよかった記憶が残っています。
カブールを出発。陸路でペシャワールへの行き方
そしていよいよアフガニスタンから去る日がやってきました。
カブールで一番滞在したこの宿ともお別れです。
受付の彼だけは英語も少し通じるし翻訳機で会話などもできるのですが、まだ10代半ばくらいの子達はペルシャ語も読めないので会話はできませんでした。
(ペルシャ語は音声翻訳に対応していなかったので)でもフィーリングで仲良くしてくれてありがとう。
そしてシャラナウで偶然出会った日本人の方からの情報で陸路でパキスタンに行く経路を教えてもらったのでその方法で行きたいと思います。
ここでは現地で尋ねる方が大抵の場合高くつきます。
なぜなら彼らはチャーター便を薦めてくるからなんです。タクシーなども乗合する人が見つけて安く済ませるのが一般的なんですが、外国人に対してはそれを教えてくれないんですよね。
なのでこの情報はほんと助かりました。
パキスタンとの国境まで乗合でいけるタクシーがいるターミナルまでは少し遠くて、タクシーの運ちゃんが乗合する人を探したんですが、見つからずに一人で行くことになりました。しかし良いおっちゃんだったので適正価格の感じでしたね。
郊外に向かって車をぶっ飛ばして30分ほどで辿りつきました。
ここを降りるとすぐにタクシーの運ちゃんが客引きにやってきます。
少し値段の交渉をしてから聞いていた価格くらいで手を打ちました(すみません。値段は忘れてしまいました)
他にも乗る人を見つけるために私はタクシーの乗り込み待ちます。
あっという間に満席になる人が集まっていざ出発です。
カブールからジャララバードを越えて、パキスタンの国境までの道のりです。
ジャララバードに一泊しようかとも考えたのですが、日本人の方の情報でそこまでおすすめでもないという話だったので、見送りに。ここは日本人医師の中村医師が殺害された場所でもあるらしいですね。
私は全く知らなかったのですが、彼のお陰で現地の人の日本人の評価も高いということです。
長旅なので途中で昼食休憩をとりながら国境に辿り着いた時は夕方になっていました。
またいつものことですが、一人のアフガニスタン人が寄ってきて案内してやるとのこと。
彼はどうやら国境警備関係の仕事らしく何やらライセンスのようなものを見せてくれました。
彼に付いていくと国境を越える人たちが作る長蛇の列をスイスイとすり抜けてあっという間に入管審査の場所までやってきました。
しばらくしてお偉いさんの雰囲気の人がやってきてきて、何個かいつも通りの質問をされら後に通されました。
この国境はなんか混沌としていましたね。と思っていたらこの後数ヶ月してアフガニスタン軍とパキスタン軍がこの国境で銃撃戦に発展し国境が封鎖されたとの情報が入ってきました。
少し遅かったらトラブルに巻き込まれていた可能性もあったと思うと運がよかったのだなと感じました。
そして噂には聞いていたけど、パキスタン国境名物が始まります。
というのも、インドとパキスタンの国境も同じようなことがあるらしいのですが、パキスタンに入国する際に警察官が警備と称して付きまとってくるというものです。
彼らは彼らの息のかかったチャータータクシーに乗ることを強要してきて、ホテルまで着いてくるだけではなく外出も同伴しないといけないとか言われるし、とにかく大変らしいのです。名目は外国人の安全を確保するためらしいのですが、チャータータクシーはやめてほしい。
バーミヤンにいた時に連絡をとった日本人の方が教えてくれたのは、パキスタン国境を渡る時にお金がないからシェアタクシーでないと乗れないとゴリ押しすると乗れるという話でした。
ということでゴリ押し作戦をしてみることにしました。すると警察官は困り果てて、次々と外国人と一緒に撮った写真を見せながら説得を試みてきます。
彼も彼女もチャータータクシーで一緒に乗り込んで街に向かったと言いながら。
その中にはイランで出会った中国人の友達や、今回シェアタクシーを教えてくれた日本人の方も写っていました。
ついには「ボスからそう言われているから、君が払えないなら私が払うしかない」とまで言ってきました。
そう言ったら折れると思っていたのでしょうが、折れなかったら今度はタクシーの料金が下がってきました。
結局1500パキスタンルピー(約800円)ほどで手を打つことにしました。ということで相当粘らないと難しいということは検証できました。
タクシーには警察官が二人乗り込み、パトカーに先導されながら進みます。まるで護送されているようです。
途中でチェックポイントのような場所があって、その度に降ろされて書類にサインをしたり質問されたりと、とにかく面倒くさいです。
まぁフレンドリーな警察官もいてFacebookアカウント教えてくれとか言われたり、水のボトルを買ってくれたりと何だかよくわからない交流が生まれました。
国境から今日の宿泊地のペシャワールまでは少し距離もあるし、進んでは止まりの繰り返しなので日が暮れてきました。
ホテルはペシャワールで最安というものを事前に教えてもらっていたので、そこに行きたいとタクシーには伝えていたのですが、何と着いてみると値段が全然違う。
交渉しても無理だし警察がチェックインを確認しない限りは帰らない感じだったので、諦めるしかなさそうです。
まぁホテルとしては良い感じだったのですが、マケてもらって一泊7500パキスタンルピー(約4000円)とパキスタンでこんなに払うと思わなかったような値段でした。
どうもそれでもここが最安のようでした。ペシャワールおそるべし。
アフガニスタンもそうでしたが、ドミトリーというのがないので、どうしても割高にはなるんですよね。
チェックインを確認してようやく警察は退散してくれました。しかし翌日の行動も尋ねられて、チェックアウトの前にフロントを通じて連絡するようにとのこと。
もうさっさとイスラマバードに向かった方がよいと判断して翌朝には出発する準備を始めました。
外出もしないようにと言われてしまい、ルームサービスで晩御飯。部屋は上々だったのでぐっすり眠れました。
ペシャワールからイスラマバードに。おすすめアプリ
翌朝、事前にフロントから連絡してもらうように頼んでいたところ、チェックアウトで下に降りた時には警察は到着していました。
パトカーといっても軍用というか、フィリピンのジプニーのような後ろに横並びに座れるような仕様の警察車両に乗せられてバスターミナルに向かいます。
バスは事前にネット予約でしていました。
パキスタンで使えるアプリは何個かあったのですが、私が使っていたのではこれです。
さいごに
今回はカブールからペシャワールへの陸路で向かった記録をつけてみました。この辺りから旅の難易度は結構あがってきた印象です。
一人旅では特に最新情報を取っていくことが重要になるかと思いますので、時間の経った情報は鵜呑みにせずに慎重に行動することをおすすめします!